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2000 年 2 月の Favorite !! は

モーニング娘。


今月の特集は「LOVE マシーン」で一躍ミリオンセラーアーティストの仲間入りをした モーニング娘。です。
オーディション番組「ASAYAN」でデビューしてから約二年、番組の仕業(?)で数々の苦行をしいられてきた彼女達ですが今やすっかり音楽番組の常連となり、その頑張りぶりが評価されるようになってきました。
「今月の Favorite !!」では彼女達がなぜここまで急成長してきたのか、デビューからの軌跡をたどりながらその成長と活躍振りを紹介してみたいと思います。


モーニング娘。 リリースしたシングルとメンバーの脱退・加入

1997 年12月:安部なつみ・福田明日香・中澤裕子・飯田圭織・石黒彩ら 5 人がユニットデビュー決定。
1998 年 1 月:1st シングル「モーニングコーヒー」
1998 年 5 月:追加メンバー保田圭・市井紗耶香・矢口真里の3人が加入。
1998 年 5 月:2nd シングル「サマーナイトタウン」
1998 年 9 月:3rd シングル「抱いて HOLE ON ME!」
1999 年 2 月:4th シングル「メモリー青春の光」B 面は「Never Forget」(福田脱退のため急きょ作られた曲)
1999 年 4 月:福田明日香脱退
1999 年 5 月:5th シングル「真夏の光線」
1999 年 7 月:6th シングル「ふるさと」
1999 年 8 月:追加メンバー後藤真希加入。
1999 年 9 月:7th シングル「LOVE マシーン」
1999 年12月:石黒彩脱退
2000 年 1 月:8th シングル「恋のダンスサイト」





1997 年 12 月

安部なつみ・福田明日香・中澤裕子・飯田圭織・石黒彩ら5 人がユニットデビュー決定。

そもそも彼女達はASAYANの企画「女性ロックヴォーカリストオーディション」にそれぞれ応募してきたのですが、最終的に選ばれたのは平家みちよただひとりでした。最終選考に残りながら落とされてしまった女の子達のなかからつんくが「このまま解散させてしまうのはもったいない」と5人を集め、「愛の種」というインディーズ CD を 5 万枚売ったらという条件付きのデビューとなったわけです。ちなみに「愛の種」はつんくの作詞作曲ではありませんが、ファーストアルバム「ファーストタイム」の中におさめられています。


1998 年 1 月

1st シングル「モーニングコーヒー」

「愛の種」を5万枚完売し、はれてデビューをつかんだ彼女達ですが番組中に発表されたユニット名「モーニング娘。」は本人達にも少なからず抵抗があったようです。一番年下の福田明日香だけは「漢字も○もはいってお特」と喜んでいたそうな。
「モーニングコーヒー」は「あなたに『モーニングコーヒーを一緒に飲もうよ』なんて言われちゃって恥ずかしい〜!どきどき。」というような、こっちが恥ずかしくなるくらいのぶりっこした曲です。デビュー前は水商売をしていてこのときすでに24歳だった中澤裕子にはちょっときつかったのでは・・・。


1998 年 5 月

追加メンバー保田圭・市井紗耶香・矢口真里の3人が加入。

デビューはしたもののまだまだ知名度の低い彼女達、なんとか売れるように5人力をあわせて頑張っていこうとしている矢先に急きょ追加メンバーが入り、かなり内部の関係は揺れていたのではないでしょうか? 「モーニング娘。は仲が悪いらしい」という噂もとびかいましたね。本当のことはもちろん彼女達にしか分かりませんが、追加の3人を大歓迎っていうムードではなかったのは誰の目にもあきらかでした。


1998 年 5 月

2nd シングル「サマーナイトタウン」

8人になり声に幅も出て、この曲ではラップ(もどき?!)も取り入れた構成になっています。つんくお得意のアップテンポなのりの曲調です。個人的にはこの曲はわりと好きです。歌詞は、ちょっぴり大人の恋に憧れる女の子が背伸びをしてクールを装ってみたりしてる感じ。


1998 年 9 月 3rd シングル「抱いて HOLE ON ME!」
この曲はオリコン初登場第1位という輝かしい成績をおさめました。曲の構成はかなり凝っていて「ねえ笑って」とか「UH HOLD ON ME」など合間合間のブレイクの入れ方もすばらしい出来になっています。時期的にもかなり紅白を意識していたと思います。実際この曲のヒットがあったからモーニング娘。はデビューした年に紅白出場を果たしました。ちなみにこの曲はその年の「日本レコード大賞最優秀新人賞」も獲得しています。私の個人的な意見としては「LOVEマシーン」や「恋のダンスサイト」がミリオンでも、楽曲としての出来映えは「抱いて HOLD ON ME!」の方が上だと思うのですが、みなさんはいかが思われますか?

1999 年 2 月

4th シングル「メモリー青春の光」B 面は「Never Forget」(福田脱退のため急きょ作られた曲)
ミディアムテンポのバラードで、別れを歌っています。この曲もまた、大人数をうまく使った層の厚いメロディになっています。カラオケでも一人では歌えないところもあるし、ハモリがないとつまらない。ほとんどの部分を微妙な音階でハモってます。モーニング娘。初のバラードですが、とってもよくできてると思います。

1999 年 4 月

福田明日香脱退
4thシングル「メモリー青春の光」が発売になる少し前に福田明日香が脱退を表明しみんなを驚かせました。理由は「高校受験のため」。彼女はいろいろ悩んだ挙げ句ふつうの女の子に戻る道をえらんだのです。「メモリー〜」のAメロは全部福田明日香が歌っています。とても中学2年生とは思えない歌の上手さです。8人の中では彼女が一番上手かったでしょう。声の使い方、リズム感、フレーズの捕らえ方。ASAYANではたびたびレコーディングのシーンが放映されましたが、その中で一番プロデューサーのつんくの言っていることを理解していたのは彼女だったように思いました。コンサートでも、他のメンバーは大泣きしているのに最後のステージが終わるまで一度も涙を見せなかった彼女。大事に最後まで歌を歌いきって引退していきました。拍手。

1999 年 5 月

5th シングル「真夏の光線」
7人になり季節も夏に向かって前向きな感じを出そうとしたのでしょうか、この曲は思いっきりさわやかでアイドル路線に作ってあります。ツートップでメインヴォーカルを担っていた福田が脱退したため、メインは安部なつみひとりになりました。そのため福田の声でカバーしていた安部の声が全面的に前に出て、力量不足を感じます。さわやかな感じをだそうと意気込んでいるのはわかるのですが、前曲とのギャップがはげしく、メンバーもなんだか爽やか感をだそうとしているのが逆に不自然に感じてしまいます。歌番組でも何回か見ましたが、安部以外はあきらかにくちぱくだったのも興醒めですよね。

1999 年 7 月

6th シングル「ふるさと」
今度はスローテンポのバラードです。失恋して都会の暮らしにも少し疲れた女の子がひさしぶりに田舎に帰ってお母さんの愛情を改めて感じるっていうような内容です。プロモーションビデオにはそれぞれのメンバーが自分のお母さんとブランコにのって話したり田舎道を歩いたりと、ちょっと昔のほのぼのせつない映画のようでいい感じでした。メロディは印象的で内容も濃く、サビは少し盛り上がりにかけるような気もしますが心にしみるいい音楽です。しかしこの曲はあまりヒットしませんでした。たぶんこの曲を覚えている人は少ないでしょう。それはなぜか? それはこの曲で完全に安部なつみがメインをとり、それ以外のメンバーはバックコーラスとなってしまったからでしょう。前曲でうすうす気付いていた安部の歌唱力のレベルがこの曲でさらに浮き彫りになって、それが結果的に不発という課題を残してしまったのだと思います。他のメンバーも明らかに楽しくなさそうでしたよ。

1999 年 8 月

追加メンバー後藤真希加入。
「1999年9月9日に9人で新生モーニング娘。をデビューさせる!」とつんくは追加メンバー2名を募集しましたが、最終的に選ばれたのは中学2年生の後藤真希ひとりでした。金髪にブーツ、スタイルも顔もあか抜けていて中学2年生とは思えない外見。今までのモーニング娘。にどこかただよう「田舎っぽさ」とはあきらかに違う存在でした。しかし性格的にはひねくれていなくてマイペース、笑顔はくったくがないのです。振り付けがなかなかできなくても危機感を感じているんだか感じていないんだか・・・。今までのモーニング娘。にあった「闘争心」「わらをも掴むガッツ」みたいなものはみじんも感じさせないその性格は、見ているほうが歯がゆくなる時もあるけど、そんな人が一人くらいモーニング娘。にいたほうがいいのかも。実際彼女が加入してからのモーニング娘。は大ブレイクしていくのです。

1999 年 9 月

7th シングル「LOVE マシーン」
この曲はみなさんの記憶にも新しいと思いますが、ロングセラーの大ヒットとなりました。ノリのいいリズムと明るいメッセージ、それからダンスはカラオケなどで誰でも踊れるように簡単で楽しい振り付けをしたとダンス指導の夏まゆみ先生が言っていました。ちょうど1年前、紅白に向けて「抱いて HOLD ON ME!」が発売になりましたが、その時のように「LOVEマシーン」が出たとき「ああモーニング娘。は今年も紅白出場をつかんだな」と思いました。こういう曲って最近あんまりありませんでしたよね。ウルフルズもすっかり影をひそめていますし。まさかここまで売れるとはさすがに出た当初は思っていませんでしたが、なにより彼女達がこの曲をすごく好きっていうのが伝わってきて、それが見ている方にもパワーになって伝わってきたのでしょう。あきらかに「真夏の光線」や「ふるさと」のときのような作った雰囲気がなくて純粋でしたもん。

1999 年 12 月

石黒彩脱退
「LOVEマシーン」がオリコンやカラオケ、ユーセンなどのランキングの1位を獲得し、一気に登り詰めたモーニング娘。ですが、この一番輝かしい時期に脱退を決意したのが、鼻ピアスに茶髪のおねーさん石黒彩でした。脱退の理由は「以前からの夢であった服飾デザイナーの勉強のため」でした。石黒はデビュー前服飾の専門学校に通っていましたが、モーニング娘。としてデビューするかどうかせまられたときにすっぱりと退学して芸能界を目指したのです。そして脱退のときも「モーニング娘。が頂点に達した勢いのあるこの時期だったら自分が抜けてもグループは大丈夫」と判断し、脱退を表明してからあっという間にさらりと引退していきました。また彼女は脱退の理由についてこんなことも言っていました「『LOVEマシーン』のヒットがあったから自分は脱退を決意した」と。誰が見てもこれからが一番活躍するっていう時期に、鮮やかなほどすぱっと決断して行動した彼女は、かっこいい。

2000 年 1 月

8th シングル「恋のダンスサイト」
前曲「LOVEマシーン」に引き続き、この曲もお祭り騒ぎのすっ飛んだ曲です。アラビアンナイトを彷佛とさせる衣装とメロディ、しかし空手のような振りがあったりお祭りでお馴染みの文句が入っていたりといろんなものがミックスされていて、これまたはちゃめちゃだけど元気が出る曲です。いったいデビューしたころのアイドル路線のモーニング娘。はどーなってしまったのでしょう? しかし、本人達はみんな楽しそうだし、いっそ米米クラブを目指してインパクト&個性的なグループとしてやっていったほうが確実に芸能界で生き残っていかれるのではないでしょうか。いったいこの次にどんな曲が出てくるのかまったく想像もつきませんが、こうやって視聴者の目を釘付けにさせる作戦は大成功のようです。



なぜ? ルックスも歌も人並みなのに・・・。モーニング娘。の魅力

今回この Favorite 特集を「モーニング娘。」にすることにしてから、モーニング娘。関連のホームページや掲示板をたくさん見にいきました。うすうす感じてはいたのですが、やはりモーニング娘。に対する世間の風当たりは強いようです。特に女の子からはあまり支持されていないのが現状のようで、モーニング娘。のファンについては「おたくっぽい」とか「気持ち悪い」と見ている人のなんと多いことか。たしかに、たしかにたくさん見に行ったファンのホームページのなかにはちょっとひいちゃうようなページも多かったけど、人がなんと言おうと私はモーニング娘。についてたくさん認めるところがあります。いいとこも悪いところも含めてなぜか彼女達の行動と行く末が気になる、モーニング娘。ウォッチャーなのです。
私が一番最初にモーニング娘。のことを気にかけるようになったのは「抱いて HOLD ON ME!」を聞いてからでした。この曲はいまだに何度聞いてもすばらしい出来だと思います。嫌いでもないけど好きでもないっていうような曲は聞いていると途中で「長いなぁ」とか「まだ終わってなかったのか」なんて思ったりするのですが、本当にいい曲っていうのは最初から最後までずっと聞いていられるのです。「抱いて HOLD ON ME!」を聞けば聞くほど、つんくってすごいなぁと思うのです。私は芸能人でも歌い手でもないけれど、ああいう曲を自分達のために書いてもらって舞台で歌っている彼女達がたまらなくうらやましく感じました。
「LOVEマシーン」「恋のダンスサイト」と立て続けに派手にやってくれたモーニング娘。ですが、今後どのような展開を見せていくのかますます目がはなせそうにありません。


2月の Favorite !! 遅くなってしまいましたが、やっとアップしました。ここまで読んでくださってありがとうございます。
これであなたもモーニング娘。のこと、ちょっと気になりはじめたでしょ?? それではまた来月。


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